うまくいっていた犬のしつけが元に戻ってしまうこともありますね。3ケ月あるいは3年の間、噛み癖が完璧におさまっていたとしても、何かの拍子にイ犬がテーブルの噛み具合を試すそぶりを見せたら、犬をテーブルに近づけないようにして、もう一度犬の注意を噛むオモチャに集中させなければなりません。
そして犬がテーブルを噛んでいる現場をおさえたら、行為を中断させて別のものに関心を向けるという手順を繰り返し、犬の頭から家具のことを追い出してしまわなくてはなりません。
こうした当たり前のことがなかなかできないのは、テーブルを噛む犬の心理に「悪しき陰謀」が秘められていると思い込んだ飼い主が、頭の中で「なぜだ……」という問いを延々と繰り返し、問題をかえって複雑にするためです。これでは有効な手を打つことはできないのです。